Jaco Pastoriousの名演で有名なFunk Sessionの定番曲、The Chicken。
管楽器がいっぱいのファンクセッションだとたいてい1日1回はやるんじゃないでしょうか。
非常に親しみやすくてかっこいいこの曲ですが、セッションでこれをかっこよく吹きこなすサックスプレイヤーを見ることは少ない。
だって、難しいですから、この曲。
ギタリスト、ベーシストが思うより、サックス吹きには難しいです。
想像ですが。
で、この曲をどうやったら、少しでもカッコよく吹けるようになるか。
題して「チキンをきちんと」
チキンをきちんと(その1)
この曲、キーは実音B♭ですが、B♭のペンタ一発で通せるかというと、無理です。
最初の6小節くらいまでは耐えれるかもしれませんが、そっから先は、やっぱりコードに合わせたソロを取らないと、しんどい。
なもんで、まず、曲にあわせてコードのルート音は吹けるようにならないと、お話がスタートしません。
コードネームに書いてあるアルファベットの音を吹くだけです。
。。。
で、それが出来たとしましょう。
この曲、出てくるコードはぜんぶなんとかセブンス、です。
で、このセブンス、B♭7なら、構成音はB♭、D、F、A♭。
この中でルートのB♭の次に重要視されるのが、3度の音(D)と、7度の音(A♭)の音、と言われています。
この曲のコードの3度の音と7度の音だけピックアップして、譜面に書いてみると、何が言えるか。
コードの3度の音と7度の音だけ見ると、半音で下がっていっていることがわかります。
これ、ギターとかベースの人だったらたいてい知っているんですが、サックスだと気づかない人がときどき。
なんでかって、カッティングの定石にそういうのがあるんですよ(たぶん)。
セブンスコードが4度上に動くときは、3度7度のカッティングを1フレットずらす、みたいな。
この曲、セブンスコードしかなくて、その動きは、半音下がるか、4度上がるか、の2パターンしかありません。
半音下がるときはコードの3度の音と7度の音は当然半音下がります。
4度上がるときは。
これ、代理コードという概念がわかっていると理解しやすいのですが。
ドミナントセブンスのときに3度と7度の音が共通である増4度の関係にあるセブンスコードを代理で使っていい、みたいな話があるじゃないですか。
Fm7 - B♭7 - E♭△7 → Fm7 - E7 - E♭△7
B♭7の3度はD、7度はA♭
E7の3度はG#(=A♭)、7度はD
セブンスコードの増4度上のセブンスコードと3度と7度の音が共通。
だから。
セブンスコードが4度上がるってことは、
前の方のコードを増4度上で見ると、3度と7度の音は半音下がることになる。
まぁ、ともかく。
曲にあわせて、A♭から下がってくる音列を吹けるようにしてみましょう。
なんか、リズムをつけつつ。
Ab~AbAbAbっAbAb 、、、 G~~GGっG、、、て。
次、Dから下がってくる音列で。
その次、この2つの音を組み合わせて、なんか適当にリズムをつけつつやってみる。
それが出来たら、一番最初にやった、ルートの音も交えて3音で。
それだけでも、なんとなく、それっぽくなりません?
この3音が把握できているか、できていないか、っていうのが、けっこうキモだったり。
コードの変わりめで半音下がる音を理解できたら、それをつなげるフレーズを用意しておとくと、ものごとがスムースになって、キチンと感が増します。
Dからはじまるんだったら、たとえば、こんな感じ。
A♭からはじまるやつなら、こんなのとか。
音の選び方は、いくつかバリエーションはあります。
まぁ、いろいろ理屈はあるんでしょうが、いろいろ試行錯誤してどれが気持ち良さげかを探して、いい感じのをメモっておく、っていうのでいいんじゃないかと。