レッテルA、はじめの4小節。
基本的には、
|C△7 | Dm7 | Em7 | Dm7 |
という流れです。
これをどう考えるか。どうバリエーションを持たせるか。
1) C△7とEm7(とAm7)は機能的にはトニックなので置換できるでしょう。
2) Dm7はDm7-G7に分解してもいいでしょう。
3) Dm7とEm7のあいだに経過的なディミニッシュコードD#dim7を差し挟めるでしょう。
くらいのアイデアがあるんだと思います。
3)については、
Em7の前にドミナントモーションとなるようB7を持ってくる。
持ってきたB7の上に♭9thを積んで、ルートをとっぱらったらD#dim7になった、という理解でもいいかもしれません。
|C△7 | Dm7 B7(♭9) | Em7 | Dm7 |
↓ ↓ ↓
|C△7 | Dm7 D#dim7 | Em7 | Dm7 |
↓ ↓ ↓
|C△7 | Dm7 D#dim7 | C△7 | Dm7 G7 |
ソロの冒頭4小節。
こんな感じのコード進行をイメージしてるんじゃないかと思います。
2コーラスめ後半はこれ。
4コーラスめ、前半がこれ。
全部似たような感じ。
3小節目は、毎度、3拍めの頭に「ド」の音があるので、あんまりEm7には感じられません。
言うほどC△7ぽくもなくて、C6か、C6/Eか。
そんな感じ。
循環の曲の最初の4小節にも使えるフレーズです。
Bメロのラスト4小節。
|E♭m7 | A♭7 | Dm7 | G7
の流れ。
この調のⅡ-Ⅴは(テナーサックスでいうと)Dm7-G7で、その前に半音上のⅡ-Ⅴ(E♭m7-A♭7)を差し挟んでいます。
これはなんなのだ、という話なんですが。
もう少し前からコード進行を追うと、
|F△7 | F#m7(♭5) B7| Em7 | A7 |
|E♭m7 | A♭7 | Dm7 | G7 |
となっています。
3~4小節め、Em7-A7の次にありがちなコードはD7。
ドッペルドミナント(ダブルドミナント)とか言うやつ。
|F△7 | F#m7(♭5) B7| Em7 | A7 |
|D7 |D7 | Dm7 | G7 |
こんな曲、ありがちじゃないですか?
このD7の裏コード(代理コード)はA♭7
このA♭7を分割してⅡ-Ⅴになるようなマイナー7thを差し挟むと、
E♭m7-A♭7の流れになります。
スタンダードナンバーのJust Friendなんかもおんなじ捉え方ができるかと。
で、こういうときにハンクモブレー先生は何をやっているか。
Ⅱ-ⅤのⅤだからといってA♭7のところにオルタードスケールを使うのはこういうケースではそれほど効果的ではなく。
E♭m7をドリアン、A♭7をミクソリディアンでとって。
(結局E♭m9が2小節あると思ってほぼオッケー。というか、そっちの方がうまいこといく気がする)
それをうまいこと半音シフトさせるのがいい感じです。
そういうことを踏まえつつ。
譜面には書ききれない、音の強弱とか、タイミングとかを真似していくのも大事なんだけど。
とっても勉強になるソロです。