運指についてのいろいろ、ご存知ない方への説明用ページです。
(1) B♭ - A#
B♭、または、A#の運指、基本的に2つあります。
左の方は、左手人差し指で2つのキーを押さえます。
別にB♭だったら左の運指、A#だったら右の運指、というわけではないのですが、そういうシーンが多いです。
F Major とか B♭ Majorとかの♭系の調のスケールや曲を吹く場合は、(a)の運指のほうが楽です。
調号に♭がついていたら、基本、左手人差し指は2つのキーを同時に押さえるクセをつけておくとよいかと。
もちろん、フレーズの中で、B♮が出てくるときはずらします。
B♭とB♮がでてくるフレーズで、左手人差し指を滑らせるのはあまりお勧めしません。
(b)の運指で対応します。
ところで、2つ同時に押す小さなキー(Bisキー)は右手の人差し指、中指、薬指、どのキーを押しても連動しています。
なので、「B♮の運指+右手のどれか」、でもB♭の音がでます。
※音色、ピッチは若干変わりますが。
フレーズによっては使い道もあるので、覚えておいてもよいかと。
(2) G#のキー
左手小指で押さえるG#キー。
このキーを押さえると「開く」キーに注目してください。
(大事なときにくっついて開かないやつ)
このキー、右手の人差し指、中指、薬指、どのキーを押しても閉じられます。
ということは、DとかEとかFとかF#とか吹いているときに、G#キーを押しても無効ということです。
たとえば、#4つのE Majorのスケールを吹くとき、F# → G#のあいだで、右手中指を離すと同時に左手小指を押す、という動作は面倒くさい。
こういうときは事前にG#キーを押しておくと楽です。
Eからあがっていくなら、E吹く時点でG#キーを押さえておく。
そうすると、F#→G#のときは、右手中指を離すだけなので、楽ちん。
ところで、テーブルキーのG#を押すと開くキーは、テーブルキーのどれを押しても開きます。
※音色、ピッチは若干変わりますが。
そんなに頻度が高いとは思いませんが、G#→C#→G#とかいうフレーズがあったら、G#をC#のテーブルキーで出しておけば、右手を押さえて離して、という動作だけですむので、左手小指をテーブルキー上で滑らすことなく楽です。
G#→B→G#、G#→A#→G#とかも同様。
(3) 中音域のC#
中音域のC#、何も指で押さえない音について。
ピッチが下がりがちである、ということと、半音上のDの間の音色が違う、ということが気になる方もおられるかと思います。
本質的にはピッチや音色を揃えるような吹き方を探求するのが大事なのですが、とりあえずの手段として、C#の替え指があります。
こちらの方が、ピッチは上がり気味になりますし、音の響きや吹奏感がDに近づきます。
下がった音がC#のフレーズとかには有効です。
オクターブキー押しっぱなしで楽。
速いフレーズの場合は、右手の人差し指、中指、薬指を押さえっぱなしで、左手の人差し指と中指を離すだけでもだいじょうぶ。
※音色、ピッチは若干変わりますが。
(4) トリルキー
BとCのトリルとか、FとF#のトリルとか。
クロシフィンガリングで人差し指と中指をばたばたさせないでいいように、サックスにはトリルキーが用意されています。
トリルに限らず、使えるシーンもありますので、覚えておいて損はない。
1回も押したことないキーとか、もったいないですしね(笑)
最近、吹奏楽をやっている中高生と接することがあって感じたことがあって。
コンクールとか演奏会とかで長い時間、1つの曲に一生懸命取り組むとき、難しいフレーズをがんばって練習されていて、それはそれですばらしいことですが。
がんばるまえに「どうやったらこの難しいフレーズを楽な指運で吹けるか」ということを考えてみるのもいいですよ!